もう9月だというのに。。。。
長旅の末
生まれた国にもどると
逃げ場のない日差しが一瞬にして
身体の中まで浸透し思考能力も運動能力も奪う
なぜ人々が怪訝な顔をしながらも
いつもの足取りでいられるのか
意味がわからないけれど
今はそれ以上考えられない・・・
北鎌倉は東京よりは少し涼しいはずだけど
アルミでできた外玄関の扉のハンドルすら
火傷しそうなほど熱い
我が家にたどり着いた安堵感も束の間
むせかえる空気に出迎えられ
すぐに家中の雨戸と窓を開け放ち、風を通す
窓は合計17箇所
2ヶ月も放置していていた
古い家の深呼吸が聴こえる
高台の住宅街とはいえ
周りは山に囲まれて
全ての窓を開けると風が通るはずが
太陽に温められた風は
思った以上に熱く
風は通るが部屋には熱気がのこる・・・
庭は当然のごとく
想像以上のジャングル
旅立つ前に整えた花々やハーブたちは
花摘みも出来ないまま種を付けては落とし。。。。
もはや雑草の中に埋もれて
探すこともできない
咲き終わった紫陽花たちが
早く剪定してよ、、、と
新芽を覗かせている
ごめんねと言いながら水を撒き
強い陽射しの庭に
それ以上立っていられず
部屋に逃げ帰る
いつものことではあるけれど
北鎌倉にもどると
留守にした時間を巻き戻さなくてはいけない
ああ、そうだったっけ、、、と
いろいろ思い出しながら
暑さで動きの悪い頭をひねりながら
時は確実に2ヶ月も過ぎ去ったというのに
季節も変わったというのに
私だけが旅立った日の記憶を辿り
また夏が来ていなかったあの日にもどり
捨てられなかった冷凍庫の中のゴミや
郵便受けの夏祭りのお知らせや広告を捨てたり
植えたはずの花の残骸を探したり
何か変わったことはないかと
2ヶ月前の記憶を頼りに家中を歩き回り
想像力にエンジンをかけて
時間の伝言を探し回る
暑さと時差ボケと
ぶぉ〜んぶぉ〜んぶぉ〜ん。。。
という聴きなれない音で
へんな時間に目覚める
もう昼近い。 。 。
そうだ旅立つ前にはまだ完成していなかった
お隣の家に新しい住人が引っ越してきたらしい
出来上がったばかりのピカピカの新築のお家の庭には
美しい芝生が植えられ、まだ若い樹木が数本植えられていた
ジャングルのような私の庭とは雲泥の差
その音はお隣の庭から聞こえてくる
カーテン越しに覗き込むと、家の若い主人が
芝生の上の枯れ葉を庭掃除用の掃除機で一掃している
ほぅ〜
なるほど、そうやってお掃除するのか!!
ひと時代遅れているフランスの田舎にいると
(田舎でなくとも進化に興味のない国・・・とも言える)
日本のいろいろな進化に驚くことは日常で
日本のスーパーのレジのセルフ化には
未だ恥ずかしいほど、オロオロしているのは
本当に私だけだ!!
9月だというのに
天気予報はまだまだ厳しい残暑が続くでしょう
という・・・・
残暑といっても毎日32度を超えていて
真夏という単語が正しい・・・
エアコンが苦手な私も冷たい風に生き返り
そして
また庭に友達を探しに行く
そして
耐えられなくなると今度はシャワーを浴びる
そして
また庭へ・・・・
数日前までの Vosges の暑くても乾燥した爽やかな空から
一気に20°の気温差と湿気の
灼熱の北鎌倉に帰る
もう9月だというのに・・・・
何故だかわからない
でも私の庭では青い花が優勢だ
長い不在のあとにまだ元気に咲いていたのは
全て青系の花
アメリカンブルー、ブルーセージ、
ムラサキツユクサ。。。。
まだ一年目の曼荼羅のハーブの庭に
薬草をたくさん植えた
ラベンダーを中心にほとんどのハーブが
不在中、咲き終わり種を落としたはず
まだだ元気なのはホーリーバジル
思いのほか雑草が程よい日陰を作っていた
Voesgesの真珠呼ばれる
美しい湖のそばに移り住んだのは三年前
春はハイキング、夏は湖でボートや海水浴
秋は湖でトレイアスロンや
たくさんのスポーツイベントが開催され
そして冬はスキー場にたくさんの人々が集う