渡仏してからは一年の始まりはフランスで迎える
でも時々耳の奥に
除夜の鐘、着物と草履の音、甘酒の香り、初詣のお賽銭の音・・・・
どこからか日本のお正月の雑踏が聞こえてくる
それでもフランスの年末年始も大好き
シャンパーニュを開ける音が響くと
ノエルの夜が始まる
ゲームを楽しみながらアペリティフ
一皿食べてはプレゼントを開け
長い時間の後デザートに辿り着く
大晦日の夜には花火が鳴り響き
Bonne Année!の声が街中に響き渡る
どこにいても新年はやってくる
厳かな除夜の鐘の音で始まる日本の新年
それは私の遺伝子から消えることはない
どこにいても魂は和の世界に住んでいる
だから・・・どこにいても私は私
遠い昔の私の日本のお正月は
あけましておめでとうございます
という言葉と引き換えに
祖父からお屠蘇とお年玉をもらい
皆でおせち料理をいただき
そして着物姿で教会のミサに出かける
祖父母の後についてゆく
・・・すでに 和と洋の世界にいた
何故ここが心地いいのかわからない
魂の輪郭が緩むのがわかる
街並みも習慣もその生き方も
力むことがなく呼吸が楽になる
何か不器用で素直な生き方をする人々が
私をここに引き止める
どこにいようと私は私で
どこにいても思うように生きたいと思うなら
その通りになる
魔法の薬などなくてただ
私は私の声を聞く
それだけ